体幹を鍛えても神経痛は消えない?リハビリで見えた現実と限界

リハビリ室で太ももを押さえ、うつむいた表情を浮かべる日本人の中年男性患者 けがに苦しむ日々
リハビリを続けても、痛みが消えない──現実と向き合う日々。

体幹や股関節周りのトレーニングで、痛みは本当に改善するのか?

理学療法(PT)を受けながら、私はひとつの疑問を抱いていました。

「体幹を鍛えることで、外側大腿皮神経痛は本当によくなるのだろうか?」

PTでは主に股関節まわりの筋肉体幹を中心に鍛えるプログラムが組まれていました。
確かに、毎日のリハビリを通じてお尻の筋肉や体幹部は以前よりもずっと鍛えられ、股関節の可動域も大きく改善しました。


✅ 可動域の改善と日常動作への影響

入院当初と比較すると、股関節はスムーズに深く曲げられるようになり、生活動作はかなり楽になりました。
ただし、問題だった“引っかかるような痛み”は相変わらず残ったまま。
歩行や立ち座りなど、日常生活にはさほど支障はないものの、完全に不安が消えたわけではありません。


✅ 補助的な訓練と安定性の強化

リハビリでは以下のような補助的トレーニングも行われました:

  • 足首の傾斜台に乗ってふくらはぎを伸ばす(転倒予防)

  • 腸腰筋の強化(股関節の安定性を保つため)

特に腸腰筋の訓練については、専門性の高いセラピストからの興味深い話がありました。

「膝を上げるような運動(いわゆる腸腰筋トレーニング)は、実はあまり効果的ではないんです」

腸腰筋は意識して動かすことが非常に難しい筋肉であり、他の筋肉が代償動作を起こしやすいため、「鍛えているつもり」でも実際には違う筋肉が使われてしまうそうです。


✅ 結局のところ、万能な運動は存在しない

もちろん、「やらないよりはマシ」とも言われましたが、特定の筋肉だけを鍛えることの難しさと限界を感じました。
だからこそ大切なのは、幅広い運動をバランスよく取り入れていくこと
一つの動作にこだわるのではなく、全体の安定性と可動性を底上げする方針が重要なのだと思います。


外側大腿皮神経痛の難しさと、消えない痛みへの向き合い方

リハビリを進めるなかで、私の痛み──外側大腿皮神経痛(がいそくだいたいひしんけいつう)──は、原因も治療法もはっきりしない難治性の症状であることを改めて痛感しました。


✅ 痛みは「軽減」こそすれ、「消失」せず

リハビリ病院への転院を希望したのも、この痛みを何とかしたかったからです。
当初と比べれば多少は和らぎましたが、依然として強い痛みが残り続けている状態でした。

ズボンを履いたときのこすれに耐えられないほどではなくなりましたが、いまだに太ももを手でこすって洗うことはできません
お風呂でも右太ももには触れないまま、そっとお湯で流すだけにしています。


✅ 「鍛えれば治る」わけじゃない。現実は厳しい

外側大腿皮神経痛という症状については、セラピストも原因や効果的な対処法を見つけられず、多くの工夫を重ねてくれたにも関わらず、症状の根本改善には至りませんでした。

結局、手術を受けた病院も含めて約4ヶ月間の入院生活の末、痛みは残ったまま退院することになったのです。


✅ 手術は魔法じゃない

手術に期待しすぎていた部分があったのかもしれません。
もちろん、股関節の構造的な問題(股関節唇損傷など)には効果があったようです。

ですが、引っかかりによる激痛と太ももの神経痛の組み合わせという状態が続いた結果、正直「本末転倒では?」と感じる場面もありました。


同じ医師の手術を受けた他の患者との会話

ある日、同じ病棟にいた片腕が動かない患者さんと話す機会がありました。
その方も、私と同じ病院で手術を受けたとのこと。

「五十肩がひどくて、調べたら腱板断裂だったので縫合手術を受けた」

と話していました。
手術を受ける前は多少は腕が動いていたそうですが、術後はまったく動かなくなってしまったそうです。


✅ 手術を担当したのは、私と同じ医師だった

試しに担当医の名前を聞いてみると、なんと私と同じ整形外科医でした。
その方も、

「あの先生、大丈夫かな…?」

とかなり本気そうな顔で言っていました。心の中で不安と不信が募っていたようです。


✅ 手術前の情報収集の大切さ

結果的に、私たちはその医師の技術や判断を信じて手術を受けた患者です。
今さら文句を言っても仕方ありませんが、

「もう少し手術前に情報を集めておけばよかったな…」

と、私自身も感じています。
口コミや評判だけでは判断できないことも多いですが、術後の生活を左右するだけに、納得のいく判断材料をもっと揃えておくべきだったのかもしれません。


まとめ:手術とリハビリ、その限界と現実に向き合う

今回の入院とリハビリを通して、私は次のようなことを学びました:

  • 体幹や股関節の機能は鍛えることで着実に向上する

  • しかし、神経痛のような症状は訓練では限界がある

  • セラピストの熱意と工夫に感謝しつつも、結果に限界を感じる瞬間もある

  • 手術は“万能な解決策”ではなく、慎重な情報収集が必要

外側大腿皮神経痛が完治する日は来るのかどうか。
それはまだ分かりません。

けれど、こうして言葉にすることで、同じような痛みに悩んでいる方の「私だけじゃなかった」という安心になれたらと思います。

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