治ったはずの痛み、しかし股関節に異変が…
転倒後の打ち身はすっかり良くなり、腰の痛みも痛み止めと湿布でコントロールできるようになっていました。
体も少しずつ元に戻りつつあり、「これで一安心」と思っていた矢先、新たな違和感が出てきました。
それは、股関節の痛みです。特に、胡坐(あぐら)をかいた姿勢になると、股関節に強い違和感を感じるようになりました。
そしてそのまましばらく座ってから立ち上がると、ズキンと鋭い痛みが走り、しばらくの間は小股でしか歩けない状態が続きます。
この痛みは、数時間経たないと引いてくれません。
不思議なことに、正座や椅子に座る姿勢では全く痛まないのです。
当初は「腰の痛みが股関節にも影響しているのだろう」と考えていましたが、腰が良くなっても股関節の痛みだけは変わりません。
転倒からすでに2ヶ月。
その間、腰ばかり診てもらっていて、股関節はノータッチでした。
これはおかしいと思い、次の診察時に主治医に相談することにしました。
股関節が浅い?想定外の診断に驚き
診察時、私は主治医にこう伝えました。
「腰はだいぶ良くなったんですが、胡坐をかくと股関節が強く痛むんです。」
すると、先生はすぐに股関節のレントゲン撮影を指示してくれました。
画像を見ながら先生はこう言いました。
「うーん……股関節、浅いですね。普通の人よりかなり。」
股関節が浅いとは?寛骨臼形成不全の可能性
ここで先生の言う「股関節が浅い」という言葉が気になり、私は詳しく調べてみました。
これは医学的には「寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)」と呼ばれる状態です。
🔸 股関節の基本構造
股関節は、骨盤側のくぼみ(寛骨臼)に、太ももの骨の丸い先端(大腿骨頭)がはまり込む「球関節」です。
正常であればしっかり噛み合って安定しています。
しかし「股関節が浅い」とは、くぼみが浅くて大腿骨頭がしっかりはまりきらない状態。関節が不安定になり、負担がかかりやすくなります。
「股関節が浅い」ことによるリスクとは?
問題 | 内容 |
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衝撃が集中しやすい | 軟骨や関節唇に過剰な負担がかかり、傷つきやすくなる |
関節唇損傷が起こる | 股関節唇がダメージを受けやすくなり、炎症や痛みの原因となる |
変形性股関節症のリスク | 将来的に軟骨がすり減り、歩行困難や人工関節手術が必要になる場合もある |
こんな症状がある人は要注意!
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鼠径部(足の付け根)の痛みがある
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足を開いたり曲げたりしにくい
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長時間座った後に違和感がある
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股関節が「ポキッ」と鳴る、引っかかる感じがある
私のように「胡坐をかいたときだけ痛い」というのも、典型的な初期症状の一つだったようです。
治療法と対策
✅ 保存療法(軽度の場合)
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股関節周囲の筋トレ(理学療法)
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体重管理による負担軽減
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鎮痛剤・ヒアルロン酸注射 など
✅ 手術療法(進行している場合)
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寛骨臼回転骨切り術(RAO)
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人工股関節置換術(THA)
まとめ:気になる違和感は早めに診察を
「胡坐で痛いだけだし……」と軽く考えていた股関節の違和感。
しかし、実際には先天的な構造の問題(寛骨臼形成不全)であり、将来的に深刻な関節障害につながるリスクもあるということが分かりました。
違和感や軽い痛みでも、放置せず早めに整形外科を受診することが大切です。
特に「股関節が浅い」と診断された場合は、今後の生活習慣や運動に注意し、悪化を防ぐ対策を早めに取ることをおすすめします。
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