神経根ブロック注射は本当に痛い?腰椎ヘルニアの私が体験した注射のすべて

坐骨神経痛の痛みを表す脚のイラストと注射器のアイコン けがに苦しむ日々
神経に電気が走るような痛み。その治療法が神経根ブロック注射です。

神経根ブロック注射とは?

神経根ブロック注射は、椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症などによる神経痛(坐骨神経痛など)を和らげるための治療法です。
神経根とは、脊髄から分かれて手足などへ向かう神経の出口部分を指します。
その神経根に、局所麻酔薬やステロイドを直接注射することで、炎症や痛みを抑えるのがこの治療の目的です。

神経根ブロック注射の手順

おおよそ以下のような手順で行われます。

1. 体位の調整

  • 頚部の場合:仰向けまたは横向き

  • 腰椎の場合:うつ伏せ(腹臥位)が多い

2. 消毒と無菌処置

  • ヨード系などの消毒薬で皮膚を消毒

  • 無菌ドレープをかけて準備完了

3. 画像で神経根を確認

  • X線透視(Cアーム)、CT、エコーなどで神経根の位置を特定

  • 正確な刺入点と針の角度を計画

4. 針の挿入(穿刺)

  • 細い針を慎重に神経の近くまで刺入

  • 骨や血管に触れないように注意

5. 造影剤の注入

  • ヨード系の造影剤を注入し、透視で広がりを確認

  • 神経根に沿って薬剤が広がる様子が見られるかをチェック

6. 薬剤の注入

  • 局所麻酔薬(リドカインやロピバカイン)+ステロイド(ケナコルトなど)を注入

  • 痛みやしびれの再現を確認しながら慎重に投与

7. 終了後の観察

  • 約15〜30分、安静にしながら副作用の有無を確認

実際に受けてみた感想

私は腰椎にこの神経根ブロック注射を受けました。
担当医からは「かなり痛いかもしれない」と言われていたため、前日から緊張していました。

しかし、実際に受けてみると、思ったほどではありません。
確かに、針が神経に触れた瞬間、太ももから足にかけて電気が走るような激痛がありましたが、それはほんの2〜3秒程度のものでした。

痛みを感じる場所が普段と一致していれば、そこが原因の神経根だと診断できるそうです。
この確認も兼ねた痛みで、「この程度なら我慢できる」と私は感じました。

ただし、注射が苦手な人や痛みに敏感な人は「二度と打ちたくない」と感じるケースも多いようです。

私の場合、最初に針を刺した位置が違っており、もう一度挿し直しとなりました。
2度目の挿入で、まさに「そこだ!」という場所にヒットし、それ以降、数回にわたってこの場所に神経根ブロックを打つことになりました。


神経根のむくみと薬の広がり方

広がらなかった造影剤

神経根ブロック注射の重要なポイントに、造影剤の広がり方の確認があります。
私の場合、最初の1〜2回は、どうやら神経がむくんでいたようで、造影剤が全く広がらなかったそうです。

改善が見える画像の変化

5回目の注射のとき、ようやく造影剤が自然に広がるようになりました。
主治医が見せてくれた画像を私自身も確認しましたが、素人目にも違いは歴然でした。
これによって「神経が少しずつ正常に戻っている」という実感が湧いてきました。

徐々に回復、少しずつ日常へ

神経根ブロック注射、痛み止め、シップの三本柱で、私は日常生活に支障がないレベルまで回復しました。
妻に任せていた家事も、少しずつ私が担うようになりました。

炊事、洗濯、掃除……どれも前かがみの姿勢が必要な作業ばかりで、正直きついのですが、休み休みやれば何とかこなせるという感覚です。

転倒の後遺症もほぼ回復したと思っていました。
しかし、思いもよらぬ箇所に“見えない後遺症”が残っていたことに、この時はまだ気づいていませんでした。

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