認知症と向き合う生活——診断後の母の様子と在宅での働き方

在宅ワークをする50代の日本人男性。ノートパソコンと外付けディスプレイを使用し、静かな環境で作業に集中している様子。 認知症との付き合い方
在宅ワークの環境を整え、クラウドソーシングで新たな働き方を模索

認知症の診断と日常の変化

母が認知症であると診断されました。しかし、診断を受けたからといって、すぐに生活が大きく変わるわけではありません。母は以前と変わらず日常を過ごし、表面的には特に問題があるようには見えませんでした。

もちろん、将来に対する不安はあります。しかし、今すぐ何か特別な対応が必要という状況でもなく、むしろ私は「このまま静かに過ごせればいいのではないか」と考えていました。
母の様子を注意深く観察すると、時折、普段と違う言動が見られることはありました。しかし、ずっとおかしいわけではなく、しばらくすると元に戻るのです。
例えば、以前に突然怒鳴り込んできたこともありましたが、その後は落ち着きを取り戻していました。

私は、就職活動を一時休止し、母の生活リズムを優先することにしました。特に日中は頻繁に母の家を訪れ、できるだけ話し相手になりました。
普段の会話では、大きな違和感はなく、昔話をよくするようになったくらいでした。これは高齢になると誰にでも見られる傾向なので、それほど気にする必要はないと考えていました。


在宅での仕事探し

「このまま落ち着いた状態が続けば、外に働きに出ることも可能かもしれない」と考えました。しかし、一方で、母を日中一人にするのは少し不安もありました。

そこで、在宅でできる仕事を探し始めました。
当時は今ほどテレワークが一般的ではなく、在宅勤務できる求人はほとんどありません。

幸いなことに、私は障害年金を受給していたため、多少収入が少なくても生活は維持できます。母も自分の年金で生活できているため、私がフルタイムで働く必要はありませんでした。

そこで、私はクラウドソーシングを活用して、在宅での仕事を探すことにしました。

在宅ワークで選んだ仕事

💻 ソフトウェア開発

  • もともとシステム開発の経験があったため、受注可能な案件を探しました。
  • 納期が厳しい仕事は避け、単価が低めでも精神的負担の少ない案件を選ぶことを優先しました。
  • なかなか希望通りの案件はありませんでしたが、それでも毎月最低限の収入は確保できるようになりました。

📝 ブログの更新 & ライティングの仕事

  • 当時すでにブログを運営していたため、その経験を活かしてライティング案件も受注。
  • ライティングの単価は低いものの、需要が多く、隙間時間で作業しやすい点がメリットでした。
  • 「手が空いているときにできる仕事」として重宝しました。

このように、在宅での仕事を組み合わせることで、収入を得ながらも母のそばにいる生活を続けることができました。


母と過ごす日常

在宅ワークをするうえで、マルチディスプレイ環境は必須でした。
現在は4枚のディスプレイを使っていますが、当時はノートPC + 外付けディスプレイ1枚の環境でした。

母の家での仕事環境

  • 日中は母の家で過ごすことが増えたため、母の家にも1枚液晶モニタを設置
  • ノートPCと接続し、どちらの家でも作業できる環境を整えました。
  • 母の家で仕事をすることは特に違和感なく、むしろ母と一緒に過ごせる安心感がありました。

また、子どもも学校から帰ると母の家で過ごすことが多かったため、母にとってはとても嬉しい時間だったようです。
母はもともと孫を溺愛しており、「○○(子どもの名前)は本当に賢くて、美人で、いい子だねぇ」と毎日のように褒めていました。

認知症と診断された母の日常

  • 会話に違和感はない(昔話が増えた程度)。
  • 買い物も一緒に行き、自分のものは自分で購入
  • 金銭の管理も問題なく、お金の計算もできている
  • 怒鳴り込んできたときのような症状は出ていない

以前、私の家に怒鳴り込んできたこともありましたが、今思えば「寂しさ」が原因だったのかもしれません。
母にとって、一緒にご飯を食べたり、孫と遊んだりすることが、何よりも心の支えになっていたのでしょう。


穏やかな日々と、これからの不安

母が認知症と診断された直後ではありましたが、今のところ特に大きな変化もなく、穏やかな日々が続いていました。
母は普通に会話でき、買い物もでき、金銭管理にも問題はありませんでした。

「このままの生活が続いてほしい」
そう願いながら、私は在宅で仕事をしつつ、母のそばで過ごしていました。

しかし、認知症は進行を遅らせることはできても、止めることはできない病気です。
この先、母にどのような変化が訪れるのか——私は「この穏やかな日々が、いつまで続くのか」という不安を抱えていました。

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