突然の「解雇」宣告――上司の一方的な詰問
またもや上司との面談が組まれました。今回は妻も呼び出され、二人で参加することになりました。
部屋に入るなり、課長は開口一番、
「私が指示した仕様書はどうなっている? もうできているはずだろうな?」
と詰問口調で問い詰めてきました。
当然ながら、仕様書はまだ完成していません。私は正直に、
「共済システムの仕様策定や給与計算の仕様書作成の一部、月例処理などのルーチンワークを行っていた」
と説明しました。
しかし、課長はそれを全く受け入れず、
「私が命じたことをせずに、そんなことをしていたのか? つまり、職務をサボっていたということだな。それならば、解雇だ!」
と、一方的に結論を下しました。
さらに、
「私が異動になったら何とかなるとでも考えているのか? 絶対にそんなことはさせない。次の課長にもしっかり引き継ぐからな。」
と、執拗にプレッシャーをかけてきました。
もはや話し合いの余地などありません。
私は、言い返す気力すら失い、
「解雇するならしてください。」
そう答えるしかありませんでした。
こうして、一方的な圧力のもとで面談は終了しました。
退職の決断――「自分の意思」で職場を去ることを選ぶ
面談が終わり、部屋には私と妻だけが残されました。
妻は静かに、しかし真剣な表情で言いました。
「解雇されるのは良くないよ。どうせ辞めるなら、自分から退職した方がいい。」
私も少し冷静になり、考えました。
「どうせ次の課長に引き継ぐとか脅されるなら、自分から辞めたほうがいい。」
しかし、課長には直接伝えたくなかったため、課長補佐のもとへ向かいました。
「解雇してくださいというのは撤回します。私の方から退職願を提出します。」
「明日、正式に退職願を持参しますので、今日はこれで帰ります。」
翌日、退職願を持って課長補佐のところに行くと、また課長・課長補佐と一緒に別室で話をすることになりました。
「退職願を提出します。」
すると、課長は満足げな顔で、
「わかった」
とだけ言いました。
私は続けて、
「年休が残っているので、それを消化させていただきます。」
すると、課長の表情が一変し、
「なんだと?」
と鬼のような形相で睨みつけてきました。
しかし、課長補佐が
「それはいいんじゃないですか。」
と取りなしてくれたため、課長も仕方なく承諾しました。
当然です。年休を取得するのは労働者の権利 であり、上司の横暴で奪われるものではありません。
こうして退職が正式に決まり、私は最後に職場の皆に挨拶をし、職場を後にしました。
不当解雇とパワハラの実態――これは「脅し」だったのか?
今になって振り返ると、あの課長の行為はパワハラで訴えても良いレベル だったと確信しています。
✅ 経験の浅い職員に極めて困難な業務を一方的に命じる。
✅ 周囲のフォローなしで、無理な業務を押し付ける。
✅ 他の業務をこなしているにもかかわらず「職務をサボっていた」と決めつける。
✅ 極めつけは 「解雇」を脅し文句にした恫喝。
これは、明らかに パワーハラスメント に該当します。
また、極めて困難な要求(例:未経験者に対する高度な業務命令)を命じ、それを達成できなかったことを理由に解雇を口にする のは、不当解雇 に該当する可能性が高いです。
労働基準法では 「解雇権濫用の禁止」 が定められており、合理的な理由がない解雇は無効とされています。
「証拠を残せ!」――泣き寝入りしないために
私は当時、労働基準監督署 に相談しました。
しかし、地方自治体の正規職員は「地方公務員法」に基づいて雇用されているため、労働基準監督署の管轄外 とのことでした。
そのため、訴えるならば 「人事委員会への不服申し立て」 か、「行政訴訟」 を起こすという手段しかなかったのです。
今振り返ると、あのとき 録音を残し、証拠を集めてパワハラとして訴えておけばよかった かもしれません。
しかし、当時は 心身ともに限界で、戦う気力すら残っていませんでした。
「もう、すべて終わらせてしまいたい。」
それが正直な気持ちでした。
私の場合、残念ながら泣き寝入りしてしまいました。
しかし、これを読んでいる方には、ぜひ 「戦う選択肢」 を持ってほしいと思います。
結論:「証拠を残せ!」――泣き寝入りしないために
もし同じような状況に陥った人がいたら、まず伝えたいのは 「証拠を残せ!」 ということです。
📌 上司とのやりとりは 必ず録音 する
📌 指示や業務内容は メールなどの書面で残す
📌 精神的に追い詰められた場合は 診断書を取得する
「パワハラを受けた」「不当解雇の可能性がある」と思ったら、すぐに 弁護士や労働組合に相談 することも重要です。
この記事が、誰かが理不尽な職場環境から抜け出すための手助けになればと思います。
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