在宅ワークと子育て、うつ病との共存──次子と過ごすかけがえのない時間

赤ちゃんをおんぶして家事をする日本人の父親の後ろ姿 うつ病闘病記
赤ちゃんを背負いながらキッチンに立つお父さん。家族の温かい日常を感じさせる一枚です

次子と過ごす日常の始まり

妻が外で働き始め、私は次子とふたりで毎日を過ごすようになりました。

日中は家事をしながら、おんぶひもで次子を背負って動いていました。母の家に行くときはおんぶから抱っこに切り替えます。そのほうが母の顔もよく見えるし、何よりも母がとても喜んでくれるからです。

仕事をする間は、作業用デスクのそばに子ども用の布団を敷き、次子が遊べるスペースを作りました。部屋の床にはなるべく物を置かないようにし、入り口にはベビーフェンスを設置して安全に過ごせるように工夫しました。

次子はあっという間に成長していきました。つかまり立ちをするようになり、いつの間にか一人で歩けるように。言葉も少しずつ話し始め、目に入れても痛くないとはまさにこのことだと実感するほどの愛おしさを感じていました。

ただ、おんぶしているとすぐに安心して眠ってしまう次子を、そっと布団におろした途端に泣かれてしまうこともしばしば。

おもちゃで一人遊びしてくれればよいのですが、私がそばにいることで、どうしても「一緒に遊びたい!」という気持ちが勝ってしまうようです。

でも、子どもが「遊んで」と言ってくれるのは今だけです。だからこそ、なるべくその時間を大切にしようと心に決めていました。


家事・育児・仕事──バランスをとりながら

次子との生活を中心に据え、日中は完全に子どもとの時間にあてるようにしました。

家事の最中はおんぶ、もしくはすぐそばで遊んでもらい、仕事は長子が学校から早く帰ってきたときに、次子と遊んでもらう形で時間をつくりました。

長子が学校で遅くなる日は、妻が帰宅して夕飯を食べたあと、夜の時間に仕事をするようにしていました。

また、以前から仕事場として使っていた母の家でも、母の調子が良い日には次子の面倒を見てもらいながら作業することもありました。もちろん、母の体調を見ながら無理のない範囲でお願いしていました。

受注する仕事量は以前よりも若干減りましたが、その分、単価の高い案件を選ぶようにして収入を維持しました。

加えて、妻も外で働いてくれているため、世帯としての収入はかなり安定しました。

とはいえ、私の障害年金を除けば妻の収入が最も多く、「本来なら自分が家族を養うべきなのに…」と少し後ろめたさを感じることもありました。

でも、家族全員が笑顔で過ごせている今を考えると、何よりも大切なのは「誰がどれだけ稼ぐか」ではなく、「家族が協力し合い、幸せに暮らすこと」だと思えるようになってきました。


診察日と子連れ受診の苦労

この頃も精神科のクリニックには定期的に通っていました。できる限り土曜日に予約を入れるようにしていましたが、どうしても土曜日の予約が取れないときには、平日に次子を連れて通院することになります。

不思議なことに、次子を連れて行く日に限ってクリニックは混んでいることが多く、1時間近く待つこともありました。

次子は途中でぐずりはじめ、私もヘトヘトに。診察が終わっても、薬局でさらに待つことになり、心身ともに疲れ果てて帰ることも少なくありませんでした。

「精神科に行って、逆に疲れて帰ってくるってどういうことだろう……」

そんなふうに苦笑いすることもありましたが、頻繁ではなかったのが救いでした。


薬の変更と心の変化

ちょうどこの時期、主治医から抗うつ薬の変更がありました。

長らく服用していたトリプタノールから、レメロンサインバルタに変更になったのです。

トリプタノールは確かに効き目があったのですが、副作用も重く、特に眠気や倦怠感が強く出ることがありました。

その点、レメロンとサインバルタは副作用が少なく、頭がスッキリとした感じがありました。

精神的にも安定し、記憶力の面でも以前よりクリアになったと感じていました。

おかげで、次子の子育て中の出来事をしっかりと覚えていられることが増えました。

もちろん、長子の頃よりも時間が経っていないということもありますが、それでも「ちゃんと覚えていられる」ということは私にとって大きな喜びでした。


今、この瞬間を大切に

次子との日々は、かつてうつに苦しんでいた私にとって、かけがえのない癒しの時間となりました。

大変なことももちろんありましたが、それ以上に、日々のふれあいや笑顔、成長の一瞬一瞬が私の心を支えてくれました。

妻や長子、そして母。みんなの協力があってこそ、今の私たちの生活があります。

病気を抱えながらも、「今できること」に目を向け、家族とともに穏やかに暮らせていることに、深い感謝の気持ちを抱いています。

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