再発しても大丈夫──うつ病と共に生きる僕と、支えてくれる家族の話

春の桜並木を家族4人で手をつないで歩く後ろ姿 うつ病闘病記
満開の桜の下を、家族4人で手をつないで歩く春の日のひととき

再び在宅ワークへ──気づかなかった心の疲れ

会社を退職し、再び在宅ワークに戻った私は、次第に心と身体の疲れに気づくようになりました。
それまでは気が張っていたせいか、自分が抱えていたストレスに気づいていませんでした。
しかし、日中に母の家で仕事をするようになってから、ふっと緊張がゆるみ、うつの症状が再燃し始めたのです。

幸い、クラウドソーシングの新規案件はまだ受注していなかったため、しばらく静養に専念することができました。
私のうつは「波」が大きく、気が張っている時は軽躁気味になり、その反動で強いうつに陥る傾向があります。
今回も例に漏れず、勤務中の軽躁状態があった後、軽いうつの症状が表れましたが、幸いにもぶり返しはそこまで強くはありませんでした。

私にとって不眠は慢性的な症状で、うつの有無にかかわらず続いています。
ただし、うつが強くなると以下のような症状が現れます:

  • 極度の疲労感

  • 思考の混乱、会話の困難

  • 理由もなくイライラする

  • 希死念慮(死にたいという思い)

  • 原因不明の身体の痛み

  • 得体の知れない恐怖感に襲われる

軽度であれば気持ちを切り替えることも可能ですが、重度になると日常生活すらままならなくなります。


家族の協力で乗り越えた一ヶ月

薬の量はすでに最大限まで使っていたため、症状が出たとしても新たな処方で改善するということは難しく、
「無理をせず休む」ことが、唯一できる対処法でした。

今回の再発では、料理だけ妻に頼み、掃除や洗濯といった頭を使わない作業は自分で行いました。
テレビを観たり、本を読む、ネットを眺めるなど、何も考えずに過ごせる時間が必要だったのです。

ただし、車の運転は危険なので、次子の保育園の送迎は妻に頼むことに。
日中は母の話し相手になることも求められますが、認知症の母との会話は同じ話の繰り返しが多く、それなりに精神的な疲労があります。

それでも、妻や子どもたちが一緒に母と話してくれる時間も増え、家族の温かさに支えられて何とかやり過ごすことができました。
このような支えがあったからこそ、1ヶ月程度で症状は落ち着き、普段通りの生活に戻ることができました。


再始動──季節とうつの関係

うつの症状が軽くなったことで、再びクラウドソーシングでの仕事を始めました。
まだ本調子ではなかったため、まずは単価が安くても納期に余裕がある案件から再開。
少しずつ感覚を取り戻していきました。

私には、ひとつの傾向があります。
例年3〜5月にかけて、うつの症状が強くなるのです。
理由ははっきりとは分かりませんが、県庁勤務時代の人事異動や人間関係のストレスが記憶として残っているのかもしれません。

妻もそのことをよく理解してくれており、
「またこの時期が来たね。少し休もうか?」と、自然にサポートしてくれます。
必要があれば、保育園の送迎も代わってくれ、クリニックへの付き添いもしてくれます。

この時期は「自分の心身に無理をさせないこと」が最も大切。
それができるようになったのは、長年の経験と、家族の理解があるからこそだと感じています。


再発を繰り返しながらも、前に進む

うつ病は一度治ったように見えても、再びぶり返すことがあります。
それでも、私は「そのたびに前よりも少しずつうまく付き合えるようになっている」と感じています。

今回は、会社を辞めるという大きな決断をし、再発の兆候にも早めに気づくことができました。
家族のサポートにも恵まれ、長引くことなく回復できたのは何よりの救いでした。

自分のうつの波を理解し、季節の変化や体調のサインに耳を傾けながら生きていく。
これからも無理せず、焦らず、できることを一つずつ積み重ねていこうと思います。

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