ワンマン社長の圧力と迷走する業務――転職後に感じた違和感

ワンマン社長の指示に困惑する日本人の社員。スーツ姿の30代の男性がデスクに座り、立っている上司の指示を聞きながら戸惑った表情を浮かべているオフィスの風景。 うつ病闘病記
突然の指示変更に困惑する社員。ワンマン社長の一方的な指示に翻弄される日々。

再就職への願掛け

最初の就職活動がうまくいかなかったものの、落ち込んでいる暇はありませんでした。生活のためにも、すぐに次の会社を探す必要がありました。

そんなとき、妻が「神社にお祈りしに行こうよ」と突然提案しました。ここ数年は行っていなかったものの、以前は家族で毎年初詣に訪れ、子供のお宮参りや七五三でもお世話になった神社でした。

「神頼みするしかないか…」と半ば冗談のような気持ちで、妻と一緒にお参りに行くことにしました。

その神社は比較的大きな神社で、神主さんも複数名いらっしゃるようでした。しかし、不思議なことに、これまでの節目の行事ではいつも同じ神主さんにご祈祷してもらっていました。

そして、この日も偶然にもその神主さんがいらっしゃり、なぜか私たちに声をかけてくださいました。

驚くことに、社務所に通され、お茶まで出していただきました。

神主さんと話をしているうちに、私は現在、就職活動中であることを打ち明けました。すると、神主さんは「方位を占ってみようか」とおっしゃり、簡単な占いをしてくださいました。

「こちらの方角の会社がいいかな? まぁ気休めだけどね。」と笑いながら教えてくださいました。

正直、それが本当に役立つかどうかはわかりませんでしたが、妻は「なんだかいいことがありそう」と期待に胸を膨らませているようでした。


思いがけない縁

神主さんの言葉を胸に、私は再びハローワークへ向かいました。

今度は派遣会社ではなく、正社員としての雇用が期待できる会社を慎重に探しました。

いくつかの条件をもとに求人を選び、3社に絞り込みました。そこで、いつもの担当者に相談すると、

「一度に応募しても問題ないですよ。いちいち返事を待っていたら時間がかかりすぎますからね。」

と言われました。

たしかに、前回は1社ずつ進めていたために無駄に時間がかかってしまった気がします。私は言われた通り、3社すべてに履歴書を送ることにしました。

数日後、3社のうち1社から面接の連絡がありました。

妻にその会社のことを伝えると、「それって神主さんが言っていた方角の会社じゃない? 早速ご利益があったんじゃない?」と驚いていました。

そう言われると、たしかに偶然にしては出来すぎている気がしました。

面接当日、会社を訪れると、思った以上に小さな会社でした。(後でわかったのですが、この会社は人事担当のいないワンマン経営の会社でした。)

社長が直接面接を担当し、これまでの経歴や職務内容を伝えました。

特に問題なく面接は終了し、帰宅しました。

すると、2日後に採用の連絡が届きました。


ワンマン経営の実態

いざ出社してみると、会社の規模はかなり小さく、社員数も少ないことがわかりました。

社長のほかに、事務担当が1人、開発担当が私を含めて3人、他社から委託されているサポート窓口担当が3人という構成でした。

私に指示されたのは、オープンソースのソフトウェアを自社用にカスタマイズする業務でした。

まず、完成品の仕様をヒアリングし、簡単な仕様書を作成した後にカスタマイズ作業に取り掛かりました。

ちょうどPerlで作られたソフトウェアだったため、以前県庁で扱っていたこともあり、比較的スムーズに作業を進めることができました。

約3週間かけて一通りのカスタマイズを終え、社長に確認をお願いしました。

しかし、社長は開口一番、

「これ、言っていた仕様と違うじゃないか。」

と不満そうな表情を見せました。

私は仕様書を提示しながら、「当初、このような仕様で指示を受けたので、その通りに作成しました」と説明しました。

すると、社長は「でも、これだと使いづらいから直してくれ」と一言。

いや、最初からしっかり仕様を詰めておいてくれれば、こんな手間はなかったのに…と思いながらも、言われたとおりに再びまっさらな状態から作り直しました。

それでも、最初の作業をしていたことで理解が深まっていたため、修正作業は比較的スムーズに進みました。

ワンマン経営の怖さを実感した瞬間でした。


違和感の芽生え

ようやく修正作業が完了し、次の業務として新しいプロジェクトを任されました。

内容は、Visual Basicで作成されたアプリのデータをクリスタルレポートで出力する作業でした。

クリスタルレポートはそれほど難しいものではなく、数日で作業を終えることができました。

しかし、その報告をすると、社長から返ってきた言葉は

「こんなもの、慣れた人なら数時間でできるんだけどな。」

という一言でした。

その口調や態度に、かつての県庁時代のパワハラ課長を思い出し、嫌な予感がしました。

次に何の仕事を振られるのかと思っていると、今度はサポート窓口の業務を手伝うように指示されました。

開発職として採用されたはずなのに、気がつけば電話対応やクレーム処理の業務までやらされる始末。

「この先、何をさせられるのかわからない…。」

そんな不安が頭をよぎり、転職したばかりにも関わらず、この会社で長く働ける気がしなくなってきました。

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